熊本近代文学館「漫画王国熊本マンガミュージアム展」記録

マンガミュージアム展 概要

「漫画王国熊本マンガミュージアム展」は2012年7月~9月に熊本県近代文学館で開催された特別展です。熊本県出身・在住のゆかりの漫画家80名が取り上げられ、熊本県出身である緑川ゆきさんもその一人として取り上げられました。

この企画展には、私も数点ですが展示協力した他、いずれは緑川さんの原画展が見たい、できれば熊本でもやってほしい、という私個人の思い入れから、応援していました。緑川さんメインでの企画ではありませんが、あまりまとまった記事を見ませんので、このページで「マンガミュージアム展」の概要をまとめます。


企画発表当初のポスター

ポスター(7月頃から)

展示初日 県立図書館前にて
概要
名称 熊本県立図書館100周年記念 漫画王国熊本マンガミュージアム展
場所 熊本近代文学館 熊本市中央区出水2丁目5番1号
期間 2012年7月11日~9月10日(8月13日から後期展示)
主催 熊本近代文学館、熊本県立図書館
共催 熊本日日新聞社
協力 NPO法人 熊本マンガミュージアムプロジェクト(クママン)
入場料 無料
来場者 1万5355人 ※同館の企画展として過去最多(2012年10月14日熊本日日新聞朝刊より)
内容 熊本ゆかりの漫画家を紹介するパネルや年表、代表作、原画やグッズなど約1800点を展示
紹介された熊本ゆかりの漫画家
約80名
原画・愛用品等の展示協力者(漫画家)
麻生みこと、有吉京子、岩崎陽子、草凪みずほ、こいずみまり、酒井美羽、坂田信弘、坂元憲司郎、桜田幸子、清水玲子、園田健一、竹下けんじろう、田島みるく、立場良、中川沙樹、函岬誉、浜坂高一郎、藤村緋二、松下容子、岬下部せすな、室たた、室山まゆみ、ゆみみ、夢野まこと、吉開寛二、若月千寿
(以下、故人)たがわ靖之、那須良輔、三山のぼる

※人名リストは五十音順、敬称略。2012年7月11日時点の情報です。

新聞報道

2012年7月17日コミックナタリー「熊本マンガ展に室山まゆみ、村枝賢一、松下容子ら30名展示」を始め、複数のネットニュースでも取り上げられていました。

新聞報道一覧(2012年)
発行日 新聞名 見出し・内容 「緑川ゆき」言及
7月12日 熊本日日新聞 「近代文学館 熊本ゆかりの漫画家を紹介 「マンガミュージアム展」」
7月20日 読売新聞 「熊本ゆかりの漫画家展 80人の作品、「あさりちゃん」原画など」
7月23日 熊本日日新聞 「熊本の漫画文化語る 評論家・藤本由香里さん講演 県立図書館」
7月24日 西日本新聞 「「ワンピース」「あさりちゃん」熊本ゆかりの漫画紹介 熊本近代文学館 原画や本など展示」
8月6日 熊本日日新聞 「漫画王国熊本・マンガミュージアム展 近代文学館で開催中 全国に誇る作家の質と量 ―資料提供の橋本博さんに聞く」 有り
8月20日 熊本日日新聞 「漫画王国熊本・マンガミュージアム展 熊本近代文学館で開催中 伝承、伝記…そして現実 ―熊本大学文学部准教授 鈴木寛之 有り
8月25日 朝日新聞 「熊本ゆかり80人 漫画家作品集合 「ONE PIECE」「あさりちゃん」… 原画・色紙…楽しんで」 有り
8月27日 熊本日日新聞 「「漫画力」で熊本を元気に」「「ミュージアム構想」語り合う 県立図書館」
8月28日 西日本新聞 「漫画文化の拠点をつくろう 県立図書館シンポ開催 来場者交流の場に」
9月1日 熊本日日新聞 「くまTOMOファミリーフォーカス 孫と行こっ 熊本ゆかりの漫画家を知ろう」 有り
9月3日 毎日新聞 「ばってん日記 マンガミュージアム考」
10月14日 熊本日日新聞 サンデー特報「どうなる?熊本マンガミュージアム NPO「クママン」が2016年設立構想」
10月14日 朝日新聞 西先端「マンガ 街に元気」「熊本 NPO、拠点作りへ」

※この「新聞報道一覧」は、熊本近代文学館の方のご協力で作りました。ありがとうございました。

関連イベント

講演会「熊本とマンガ」
日時2012年7月22日
場所熊本県立図書館3階 大研修室
講師藤本由香里(明治大学 国際日本学部准教授・熊本生まれ)
シンポジウム「マンガミュージアムのこれまでとこれから」
日時2012年8月26日
場所熊本県立図書館3階 大研修室
コーディネーター吉村和真(京都国際マンガミュージアム・熊本大学出身)
パネリスト 芳崎せいむ(漫画家・『金魚屋古書店』『うさぎ探偵物語(原作:長崎尚志)』など)
表智之(北九州マンガミュージアム)
橋本博(NPO法人熊本マンガミュージアムプロジェクト)
鈴木寛之(熊本大学 文学部准教授・NPO法人熊本マンガミュージアムプロジェクト)
村枝賢一(漫画家・『俺たちのフィールド』『仮面ライダーSPIRITS」』など・熊本県出身)
ヒロモト森一(漫画家・『HELLS ANGELS』『少女ゾンビ』など・熊本県出身)

関連イベントはいずれも定員100名程度で、観覧無料でした。シンポジウムのパネリストは当初発表では4人でしたが、村枝賢一さん、ヒロモト森一さんが増え6名だったそうです。

緑川さん・夏目友人帳関連展示 概要

緑川さんの原画展示(原作者提供の品の展示)はありませんでした。それ以外の品で展示がありました。

  • 会場入口付近にニャンコ先生グッズの展示ブース(アニメグッズ中心、一番くじのラストワン賞のような、貴重なものも)
  • 手にとって読めるコーナーに単行本(全作品あったようです)
  • マンガ年表中にお名前
  • 「マンガに登場した熊本」『熊本の面影』の中で「夏目友人帳」紹介(聖地巡礼のことなど)
  • 夏目表紙のLaLa、厳選集、緑川七央(緑川さんのお姉さん)の著書など
  • PASH!の夏目友人帳ファンブック
  • 人吉コラボポスター(ニャンコ先生・人吉温泉3種、人吉花火大会(2012年)のポスター)
  • 他、掛け軸などのグッズ
  • 直筆色紙(この展示会のために描かれたものではなく、2005年頃のもの)

この直筆色紙は、「お宝」展示の一例として、新聞報道でも写真が出たりしました。緑川さんのものに限らず、展示物のうち直筆のものやレアなグッズは、ひと目見るために訪れるファンも多かったようです。県外からの来場者も大勢おられたとのこと。

また、小説家のたつみや章さん(熊本市在住)からの寄稿文に、緑川さんに関する記述がありました。「今回の展示作家リストで緑川ゆきの名を見つけて驚喜した」といった、ファンとしてはたつみや章さんに共感せざるを得ない内容でした。

余談ですが(1)夏目グッズ展示にあたってニャンコ先生マニアな方の展示協力を受け、とても全ては飾りきれない量があったそうです(さもありなん)
余談ですが(2)人吉花火大会のコラボポスターは、「展示が終わったらあのポスターを頂けませんか」という問い合わせが連日途切れなかったそうです(ポスターはお譲りできない品だったとのこと)
余談ですが(3)特別展の芳名帳には、原画提供された漫画家の方のお名前も多数。そして、ニャンコ先生のイラストを書き残している夏目ファンの方も多数見受けられました。

(この記事の初出:2012年10月27日
10月14日の朝日新聞を追記:2012年11月5日)