夏目友人帳探訪 in 人吉〈準備編〉

夏目のロケ地に行ってみたい!と、アニメの「舞台探訪」(聖地巡礼、と呼ぶ方もいますね)に向かう方はかなり多いようです。このロケ地、熊本県の八代地方から人吉球磨地方まで、けっこうな範囲にありますので、しっかり計画をたてて楽しみたいところ。ここでは、旅行準備の参考になることをまとめてみます。

※これまでのコラボ内容については別記事にまとめる予定です

記事初出:2012年4月16日
追記改定:2012年6月2日
一部表記を改定:2012年12月1日

公式基礎情報

スタッフロケハン

ロケハンは夏目友人帳の製作開始前、2度(計7日間)に渡って行われたそうです。監督さんや主だったスタッフさんとコーディネーターの方たちでおよそ8名程度のメンバーだったとのこと。時期は2度とも冬だったそうです。

公式探訪マップ(アニメ「夏目友人帳」探訪マップ)


公式の探訪マップ(実際はA4サイズ)

2011年7月、「夏目」と人吉が公式にコラボしたことで、これまでファンメイドだった探訪マップに「公式」版がでました。

人吉駅(外観)、人吉駅(ホーム)、田町菅原天満宮、胸川、晴山バス停、大畑駅、天狗橋、松谷棚田展望台、の8箇所がアニメの画像とともに掲載されています。比較的行きやすい場所が多く、またオープニングに登場しているなど、印象深かったところが多いですね。

この地図は、公開された当時は人吉市で配布されていた他に、LaLa35周年記念企画サイト「ララの夏フェス」上でPDFでダウンロードできました。PDF版は記念企画終了とともにダウンロードできなくなっています。現在は、人吉駅などの数カ所で印刷した状態のものが配布されています。

この探訪マップは相当人気があり、一度なくなったあとも追加生産されたそうです。いつまで設置予定かは公表されていません。

遠方に住む方で、この公式マップが欲しい方は、コラボ元の人吉温泉観光協会や、人吉市観光案内所などに問い合わせてみるとよいと思います。

公式ロケハン紀行(1)

2011年9月に発売された「PASH! Deeep!!! Vol.5」に、大森監督本人による夏目友人帳の「ロケハン紀行」が掲載されました。フルカラー4ページ。PASH!の編集部ブログに、その号の簡単な紹介が出ています。
9/10発売 PASH! Deeep!!! Vol.5 中身を発表!!!@PASH!編集部BLOG

このロケハン紀行は、実際にアニメのシーンで参考にした(使った)背景をたくさん解説していまして、前述の公式マップと合わせると、主要な場面はだいたいカバーできます。フルカラーで現地の写真(と住所)もだいたい載っていますので、旅行用にとてもお勧めです。2012年4月現在で、新品中古ともに出回っているようで、比較的入手しやすいと思います。

また、2012年5月に同じくPASH!で「夏目友人帳」3期・4期のムック本が出る予定だそうで、「ロケハン紀行」のようなものが扱われるとか。内容によってはこちらも合わせて参考になりそうです。→2012年6月1日、出ました、後述

公式ウェブラジオにて

「夏目友人帳 参」と「夏目友人帳 肆」の間に配信されていたウェブラジオ「ラジオ夏目友人帳~新・秋の章~(2011年)」の中で、ニャンコ先生・斑役の井上和彦さんと田沼要役の堀江一眞さんが、作品のロケ地となった人吉市を訪問する、という企画が行われました。

訪問は2011年11月。この人吉訪問はウェブラジオ上で二週に渡って放送され(第9回と第10回)、さながら旅行番組のようでした。具体的に夏目のロケ地を訪れたり、現地でサインを残したり、といった模様が流れ、お勧めのポイントやサインを残した場所についてのお話も出ているので、チェックすると旅の楽しみが増えると思います。旅行時にお二人が撮影した写真は、アニメ夏目友人帳公式サイト(ラジオ配信ニュース)や、お二人の個人ブログでも掲載されています。

このラジオは現在配信終了していますが、音源は2012年2月に「夏目友人帳 肆」第1巻の特定店舗購入特典としてCD収録されたようです。
ANIPLEX 第四期BD&DVD 第一巻

また、2011年12月24日に催されたイベント「夏目友人帳 集い~きよしこの夜~」の中でも「熊本県人吉市旅行VTR」が流れるなどして取り上げられたそうです。このイベントの模様は2012年5月に「夏目友人帳 肆」第4巻の完全生産限定版に収録されました。
ANIPLEX 第四期BD&DVD 第四巻

※2012年6月1日発売の『夏目友人帳 PASH! ANIMATION FILE10』(後述)にも「ラジオ夏目友人帳~人吉出張版~の出張版!」として、解説特集ページが出ています。お二人が回った場所、写真、エピソード、サインした場所などの情報つきで、1ページフルカラーです。

井上和彦さんファンクラブイベント

ニャンコ先生・斑の声優さんである井上和彦さんは人吉旅行を大変楽しまれたようで、ご自分のファンイベントでも人吉旅行を決行されてます。その名も「KAZUFAN20周年記念ツアー 和彦さんとあの人吉に行っちゃおうかニャン!!」
旅行のお楽しみイベント詳細決定~!@井上和彦オフィシャルブログ「風まかせ」

旅行は2012年3月24・25日の二日間で、人吉市・鹿児島を巡られたそうです。井上さんご本人によるレポ写真がブログに出ています。
ありがとう!@井上和彦オフィシャルブログ「風まかせ」

公式ロケハン紀行(2) (そうだ!熊本へ行こう ロケ地ガイド)

一冊まるごと「夏目友人帳」の公式ファンブックです。PASH!編集者ブログに内容紹介の記事が出ています。
→「6/1発売夏目友人帳 PASH! ANIMATION FILE10 の詳細発表します!@PASH!編集部BLOG

今回は「ロケハン紀行」ではなく「そうだ!熊本へ行こう ロケ地ガイド」というタイトルで、フルカラー10P+ラジオ夏目友人帳の人吉出張版1P、合計11ページの過去最大特集。作り手は大森監督ではなく編集スタッフのようです。この特集記事のためにPASH!の編集部の方も人吉取材をされたらしいので、その関係で発売日が延期になったのでしょうか?

「ロケハン紀行」の時は実際に使われたシーンから紹介する印象が強かったのですが、今回はより「観光ガイド」に近い形式です。「人吉駅周辺」「天狗橋周辺」「国道445号線(人吉駅→五木村)」など、エリアごとに紹介されていて、より旅行プランを立てやすくなっています。そして紹介ポイントも相当に豊富。

3期・4期のまとめファンブックとしてもかなり充実しています。

(2014年7月9日追記:このファンブックは大変好評で重版されており、2014年7月には第三版が出ています。PASH!編集部Twitter 2014年7月3日のつぶやきより)

ファン情報(インターネット上で探す)

2008年のアニメ「夏目友人帳」1期放送中から、夏目のロケ地を特定して探訪するファンはいたようです。

とはいえ2011年に公式にコラボが発表されて以降、夏目友人帳をきっかけに人吉球磨を訪れる人は激増、情報も極めて豊富になりました。計画段階のことや、アニメと同じ風景を見ることのできるロケ地(聖地)について、詳細な情報を公開されている方も多数いらっしゃいます。私が旅行前に参考にさせて頂いたサイトから、複数紹介します。

いずれのサイトも、現地での出来事や現地で撮った写真などが豊富に紹介されており、見ているだけでも旅をしたような気持ちになる(でもそれ以上に旅に行きたくなる)素敵なまとめ記事です。おすすめします。

自治体観光課などの情報

ほとんどの自治体では、その地域の観光案内情報冊子(観光パンフレット)を作っています。よく観光地に持ち運びしやすいものが置かれていますね。こういったパンフレットは、電話で問い合わせれば自宅まで郵送してもらえることが多いです。

「夏目友人帳のファンで、それが目当て」というように、目当てがあるときは、電話でお伝えしたほうがいいでしょう。


人吉市から(2011年6月)

八代市から(2011年6月)

熊本県から(2011年6月)

上記の写真は、私が電話で観光案内を送って頂いた時のものです。この時は、人吉市役所・八代市役所・熊本県庁の3箇所に電話し、それぞれとても親切に対応して頂きました。一部重複がありますが、例えば「熊本県と人吉市が共同で作った」というものは双方で入手できるためです。

私の場合、一番の目当ては、英語版の情報と、観光マップの入手でした。英語で書かれているものがあればそれも、できれば二部ずつ、とお願いしたため、相当な量になりましたが、すぐに送って頂けて感激した覚えがあります。観光マップも、方角と距離を見失いがちな私のような旅行者には、計画段階から必須です。


人吉の観光マップ

目当てが夏目友人帳関連、といっても、ご当地の観光名所や美味しいものはぜひ味わっていきたいところ。ネットでうまく情報が見つけられないときにも、一般的な観光案内はとても役立ちます。

驚いたのですが、人吉球磨地域はローカル情報誌がとても充実していて、「スイーツ」「焼酎」「温泉」「仏像」など、各テーマの冊子が多数出ていました。ローカル情報誌なんて便利なものがあるのは都会だけ、と思っていた私にとっては超衝撃。(少なくとも私の住んでいるところにはないのです)これらは人吉滞在時にも多数配布されていました。果てしなく人吉に滞在せざるを得なくなるような美味しそうな情報だらけで、とてもお勧めです。

主要自治体リンク

各ホームページでも、観光地や宿泊先の情報が多数掲載されています。

訪問する際の心がけ

アニメ「夏目友人帳」は当初、熊本県では放送されていませんでしたし、遅れて放送開始されてからも、深夜帯のアニメを見る習慣のある人ばかりだったわけでもありません。しかしタイアップ決定以降、特に知名度が上がり(地元新聞でも多数報道されました)、アニメファンを歓迎するムードを持って下さっているように思います。

また、もともと人吉球磨の方々の地域性か、旅行者にもとても親切にして下さる方が多いです。自分が旅行中も、「夏目友人帳のファンで来ました」とお話したことで相手の方がご存知の場所について教えてくださったりして、本当に有難い出来事がたくさんありました。喧嘩をしに行くわけではありませんから、写真撮影の際には一言声をおかけして、夏目ファンだとお話すれば、お互いに気持ちよく過ごせると思います。時期によっては他のアニメファンと遭遇することも……?!

思いやりと礼儀を忘れず楽しく旅行しましょう。